夏めくや 牛丼食えば 牛が鳴く
牛丼を食いながら、ああ、夏もそこまで来てるなあ、と感慨にふけりながらも、中には牛丼になってあたしに食われてしまう牛もいるわけであるので、それもこれも含めて牛舎でモ~と鳴いているかもしれないというもの悲しい句である。
でも美味いのである。
ヴィーガンだのベジタリアンだの、動物はだめで植物はいいという理論もおかしなもので、人間は動植物に限らずとにもかくにも他の生命体を無慈悲に食いちらかして生きるわけである。
そのようにこの世ができているのである。
だから食う時はありがたいありがたいと心から念じながら食うのが正しい処し方であるが、そうもいかないのが人情で、腹が減ればありがたいもへったくれもなく、ただひたすらお口にかきこんで、美味い美味いとむしゃむしゃ食ってしまうのである。
ああ、ありがたいありがたい。
一応言っとくのである。
一応かよ。
・象気功